1993年にTBSで放送された連続テレビドラマ『高校教師』。
このドラマは、高校を舞台に、先生と生徒との禁断の恋をテーマにしたドラマです。
その内容には、当時タブーとされていたレイプやレズ、近親相姦などが取り上げられており、かなりの衝撃を世間に与え、高視聴率を記録しました。
あらすじ
大学院で助手をしていた羽村隆夫(真田広之)は、しばらくの間、不本意ながら女子高校で生物の非常勤講師を勤めることになります。
その着任初日の朝、隆夫は駅でキセルの疑いで捕まっていた生徒、二宮繭(桜井幸子)と偶然出くわし、隆夫はとっさに繭を助けます。
そのことから、繭は隆夫に信頼感を抱き、着任したばかりの隆夫に向かって繭は校舎の前で突然「私が守ってあげる!」と大声で叫ぶのです。
そんな繭を最初はあまり相手にしていなかった隆夫ですが、なぜか繭は隆夫にだけ心を許し、どこか憎めない人懐っこい高校生らしいかわいいしぐさで積極的に隆夫に好意を寄せます。
隆夫は慣れない女子高という環境で、なかなか生徒と上手く接することができず、先生という職業にもなじめずにいました。
一方、繭は周りの子たちと仲良くするタイプではなく、唯一の友人は相沢直子(持田真樹)だけで、学校でもちょっと浮いた存在。そんな繭を疎ましく思う生徒もいて、嫌がらせをされることもしばしば。
そんな二人が少しずつ心を通わせ、支え合い、求めあいながら、愛を育んでいきます。
しかし、そんな二人の愛はそんなに簡単に許されるものではありませんでした。
先生と生徒というモラルの問題、さらにはそれぞれの身の周りに起こるあまりにも衝撃的で複雑な状況の中、二人はどのような結末へと向かっていくのか…。
感想とまとめ
このドラマの最終回は、ものすごく話題になりました。
最後の結末についてはネットでもいろいろと書き込みがされていて、ものすごい論争も巻き起こっていますが、まだこのドラマを見たことがないという方はぜひご自身でご覧になってもらいたいなと思います。
二人の純粋な恋、そしてそこに立ちはだかるさまざまな境遇やいくつもの問題があまりにも衝撃的です。
そして忘れてならないのは、このドラマの主題歌、森田童子の『ぼくたちの失敗』です。
この楽曲は、華やかなドラマの主題歌というイメージとは違い、どこか寂しいというか、暗く切ないような印象の曲なのですが、この曲のインパクトがあまりにも強くて、この曲が流れたと途端、『高校教師』を思い出すくらい、このドラマにピッタリの主題歌です。
実はこのドラマが放送された後、ドラマの出演者や関係者がインタビューをされている映像があるのですが、その中でドラマのプロデューサーをつとめた伊藤さんは、「『高校教師』を越えたいんだけど、なかなか越えられない。たぶん越えられないんじゃないかなって気がするんですよね。」と感慨深く語っておられます。
ちょっと話はそれますが、私はこのドラマのヒロインの繭を見て、『君の膵臓をたべたい』のヒロイン、山内桜良の姿を思い出します。
話の内容はまったく違いますが、二人とも透明感というか、日常生活からかけ離れた、言ってみれば現実離れした透明感のようなものを感じ、そんな二人の姿が重なって見えました。
今見ても全然色あせないドラマ『高校教師』のクオリティーの高さは、名作ドラマとしていつまでも私達の心にのこることでしょう。